本 form follows field. |atelierBluebottle

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*初回限定100冊に直筆サインとオリジナルポストカードセットがつきます。

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今まで撮りためた写真を使い本を作りました

当初はzineの様な簡単なものをと考えていたのですが
もう少し
ここはこうだな
紙はこれ
表紙が欲しい
いつの間にかちゃんとした本になってしまいました、、
 
zineっていつからあるのだろう?
90年代?
スケーターが作った?
いずれにせよストリートカルチャーから出たものですよね?
 
僕のイメージですけどね
それまで写真集って難解なもので
先生と言われるような人たちが作るもの
 
それを仲間内で作るようになったものがZINEなのかな
ホッチキスで留めて紙も粗い
でもその感じが生々しくて
リアル感があって見ていて面白かったのを覚えています
 
アカデミックではないでしょうけど
そういった権威的なものへのカウンターが良かったのだと思う
 
でもプロのフォトグラファーまでもが
ZINEを作るようになると、、
いつの間にかカウンターがカウンターじゃなくなってる!
 
巨匠が手作りしたら面白いけどね。
もちろん簡単に見れる手頃さはある
何も無いよりあった方がいい
それはわかるのですが
 
カルチャーの要素がなくなってしまうと
魅力も損なわれてしまうと思うのです。
 
だから僕はカウンターのカウンター?
つまりストレートで勝負
 
一般人が製本された本を作る逆カウンターパンチww
そんな面白さを感じてもらえたら嬉しいです。
 
では説明させてもらいます。
 
写真を撮るようになってから本にすることは
ずっと考えていたんです
 
僕らは普段あまりにデジタル画面に慣れすぎている
デジタルにせよフィルムにせよ撮影したものを
紙に仕上げる人はほとんど居ないと思います
 
それについて、良い悪いはないし
僕だってデジタルで十分だと思っています。
 
ただ紙にすると今まで画面で見ていたそれとは
全く別のものへと変わるのです
 
紙の質感とインクの色合い
全く別のものになるのです。
 
アナログな行為が良いとか
そんなロマンチックなことではなくて
 
被写体は同じなのに感じ方が変わる
別のものに変わるのです
 
その別のものを
ちゃんとした形で観てみたいし
観てもらいたい
 
その衝動で今回この本を作りました。
 
本の説明をする前に
僕の写真に対する考え方を書いてみたいと思います
 
と書いてみたものの
何から話せば良いのやら
 
僕は写真なんて
10年ちょっと前までは良くわかりませんでした
記録に使うもの?
思い出用?
 
そんなところでしょうか?
おしゃれなモノクロ写真を見てもなんのこっちゃさっぱり分かりません
それは今でも大体同じ
カッコいい外人撮ってりゃそうなるだろって思ってます、
インド行って撮りゃそうなるし
原住民撮ればそうなるし
アラスカや8,000m級の大自然を撮ればそうなる
 
僕らが目にする
フォトグラファーの写真はそんなものが多いでしょうか?
普段目にすることのない世界を見せてくれる
すごいものだと思います
 
でもこれだけSNSで写真が溢れ続けると
大してありがたみがなくなる気がしませんか?
 
綺麗な写真は誰でも撮れる
誰でも観れる
 
そんな今だからこそ
誰かの視点で捉えた
自分勝手なものを作ってみるおもしろさがあるのではないか?
 
僕の本には誰もが感動するような
圧倒的な自然もなければ
時間とお金をかけなければたどりつかない風景もない
カッコいい人も出てこない
(みんなに失礼ですね、分かりやすいと言う意味)
 
僕にはこう見えています
あなたとは少し違うかもしれないけど
でも山を歩いていると
何気ないこんな風景に出会えますよね?
これも素敵だと思いませんか?
 
そんなことを感じてもらえると嬉しいです

そしてこの本のもう一つの要素が
中判フィルムカメラ
 
今回の本では35mmで撮影したものも数枚ありますが
ほとんどが中判フィルムカメラ
それも主にmakina67というカメラ撮った写真になります
 
あ〜だめだ、、
サラッと書こうと思ったのですが
だめです、、
本の話しくらいサラッとカッコよく終わらせたかった、、
 
かいつまんで書けない、、
商品説明もそうですが
長く書くのが好きとかじゃなくて
サラッと書けない、、
 
本の内容とは少し離れますが
写真とカメラについて書かせてもらいます!
 
僕がフィルムカメラが好きなのは
粒子の荒さやノスタルジックな感じが好きなわけではなく
フィルムと言う手間と時間が掛かる行為が好きなのだと思います
 
中判の120フィルムは上手く撮れるとデジタルの様にきれい
正確にはフィルムをデジタルスキャンしているからそちらのスペックにも
影響はされるのですが、、
階調がどうかそんなことはさておき
フィルムにしかない良さがあるのも事実
 
手間と時間
 
現状の天気、これからの天気を予想しつつ
持っていくフィルムのISOを選ぶ
天気が良ければ100を多め
曇っていたら400かなぁ
今はもう廃盤でないけど
リバーサル(ポジ)も使おうかなぁ
 
今日はたくさん撮りそうだから10本くらい持って行こうか?
そんなところから準備はスタート
 
僕は面倒くさがりなのでレンズは持っていきません
一つのものを使い続ける潔さや
使い続けることで見えてくるもの
そんなことを大切にしています
 
デジカメはSDカードさえ持って行けば
バッテリーの許す限り撮り続けられますよね?
 
でも僕のmakinaはフィルム1本で10枚しか撮れません
そのフィルムは毎年のように値上がりし続けて
今や一本2000円以上
現像+スキャン代合わせると
1ショット500円近いでしょうか?
 
笑笑笑
 
まぁ今回の写真を撮っていた時期はもっと安かったけど
それでも1ショット100数十円くらい?
それでも高いですよね?
 
ホイホイシャッター切れません
でも撮らないと上達しないから
覚悟を決めて撮りまくった時期もあります
 
今は大まかな仕上がりの予想がつくので
一回の日帰りハイキングで撮っても3本くらいかな
つまり30枚くらいしか撮らないのです。
 
じっくり考えて撮る
面倒ですが、これをどう撮ったらいいかなぁとか
今日は木を撮りたいとか岩を撮りたいとか
そんな事を考えながら歩くのが楽しいです
 
フィルムを使うことで
光の角度や反射など
ものの見え方を意識する
 
写真を撮ることが好きになった当初
街の景色が全てファインダーで切り取った様な
そんな見え方で全てが新鮮に見えた不思議な時期があったり
普段気にしないちょっとした何かを感じるようになるのが面白い。
 
とはいえ
 
シャツター速度
絞り
ピント
露出
 
全てが手作業で面倒臭い
カメラを趣味にしようとした時に
この辺のことで嫌になってしまう方が多いと思いますが
フィルムカメラを使うと
その流れが良くわかるし自然と身につくのでおすすめです
 
まぁこの話はこの辺で良いか、、
 
 
本の話しですよね、、
 
前々から作りたかったと言いましたが
撮り溜めた量を前にすると
重い腰が上がらない
自分で撮った写真の良し悪しもわからない
 
これは誰かの視点で選んでもらった方がいいのでは?
 
そんな時に以前取材してもらった編集者の
吉川さんのことが頭に浮かびました
元々僕らのアイテムを愛用してくれていて
ブログの愛読者?
 
そんなつながりから
僕ら夫婦、atelierBluebottleのことを取材していただいたのです
その感じがとても心地よく
あ、吉川さんに相談してみよう!となったのでした。
 
そこから話が進み
デザイナーにはSTUDIOの峰崎さん正能さん
印刷は文化堂印刷さん
 
そんな流れが先に決まり
逃げるに逃げられなくなり、、
(違うか、、)
 
吉川さんが僕らに合うのではないかと選んでくれた方々なのだけど
デザイナーお二人の手がけた本や作品を見て驚きました
 
僕が好きな本
写真家、石塚元太良さんの
Glacier Diary Glacier Bay
を手がけていたんです
それは写真集ではなく旅行記なのですが
とても面白く
(もちろん写真も素敵で)
そこから写真も気になって展覧会にもいきました
 
思い起こせば僕が写真を意識し出した頃と重なり
おこがましいのですが良い刺激をもらったりしたのです。
 
そんな僕の好きな本を手がけた方がデザインをしてくれるなんて!
 
お二人の事務所で顔合わせして驚いたのは
タコマフジレコードのナベさんの友達
なんか遠い世界のようで細い糸で繋がっている
縁を感じてしまいました。
 
僕は何かを始める時に
お願いしやすい知り合いに頼むのではなく
普段接点のない人に
「初めまして突然のメール失礼します」
そうやって仕事をお願いするのが好きなのですが
人見知りだし
ワッツアップヤーマン!
誰とでも握手をできるような
そんな人間ではないので物凄くドキドキしながら連絡します
 
自分と接点がない人にお願いする
向こうからしても接点がないから断り易いし
へんに知り合いだから断れないなぁと思われたくない
断られたなら自分達の実力がその人にそぐわなかったり
情熱が伝わらなかったと思えばいい
 
だからあえて接点のない人にお願いする
 
めんどくさい性格ですね、、
でもそうすることで新しい何かが生まれる様な気がするのです
 
今回もまさか
こんな素人カメラマンが撮ったもので
デザインを受けてくれるなんて思っても見なかったのですが
そこはきっと吉川さんの力で
吉川さんが編集ならなんとかなるか的なノリだったかもしれませんが
引き受けてもらえたのです
 
デザインはもちろん大事だけど
zineと製本された本の違いは
やっぱり印刷の力だと思う
デザイナーは自分でデザインはできるけど
印刷は違う
 
紙も数がまとまらないと使えないものがある
 
今回印刷をしてくれたのが
文化堂印刷さん
もちろんこれも吉川さんチョイス
 
その道のプロの本を印刷しているわけですから
僕らなんて相手にされない
もしくは適当にあしらわれる感じ?
はいはい作りたいのね本。みたいな?
 
担当してくれた児玉さんは
とても親切に僕らのことを受け入れてくれました
でもきっとこれも吉川さんの力ww
 
写真を見せるのも恥ずかしかったのですが
(こんな写真で?って思われたくなくて)
良いですね〜なんて褒めてくれたり
まぁリップサービスだと理解していても嬉しいものです
 
出来上がりのイメージを決めるのに
色々な写真集を見せてもらったのですが
これがすごかった!
先生と言われるような巨匠の写真集
 
印刷のパワーを感じつつ
え?これならオレの方が良くない?
なんて思ってしまったのはここだけの話し
 
そりゃ僕だって自分の写真に自信があるから本を作るわけですからね!
でも自信があると言っても
僕の中の価値観で判断した場合の自信であって
他人がどう評価するかとは別の話しですから
 
自分では良いと思っていても
評価する人次第なのが写真?
 
本のコンセプトと言いますか
方向としては
写真だけの写真集ではなく
僕の考えやブランドの考え方を入れる
写真集の様なもの
そんなことでスタートしていきました
 
なぜだか吉川さんは僕のブログを気に入ってくれているので
文章多めになっています
敏腕編集者な訳ですから
もっとああしろこうしろと指示されるかと思ったら
 
こんな感じで〜
みたいな軽いノリで
僕が書いたものに、こう言う時の思いを入れたらどうですか?とか
なんとも自由に泳がせてもらいました
まぁいつも誰の指示も受けていないので
きっと指示したらつまらない物になってしまうのが
わかっていたのだと思います
こいつに指示しても無理だろうな的なww
 
文章と同時進行で写真選び
ある程度自分でチョイスしてそれをデザイナーへ投げて
厳選してもらう方式
(僕ではない他人の視点で選んでもらう面白さ)
 
これだけあれば大丈夫だと思っていたら
全然足りないとのこと、、
 
つかいたくない写真だけ外して丸投げ
そしてそこからネガ選び
これが超スーパーウルトラ大変でした
チョイスされた写真を元にネガを探す
本なんて作るなんて思ってなかったからネガはバラバラ
ではなくそこはある程度まとめてあるのです!キリッ
しかも山域ごとに名前をつけてね!

なんて思っていたら
時期が違っていたり、フィルムが残った途中で
違う山へ行っていたり
なぜだか一枚だけ抜けていたり、、
そして最も最悪なのは
無い、、、
 
え〜
この写真を使いたかったから
これが無いなら前後も変えないと、、
 
わ!峯崎さんも正能さんも本気だ!
怒られながらも妙に嬉しいww
 
サクッと選んでくれているのかと思っていたら
前後のバランスまで考えてくれている!
 
デザインて安易に思われがちですが
Aを変えたらCも変えないと
Cを変えたらZがまとまらない
 
そんな世界なんですよね
だからザックのここを変えてもらえませんか?
そんなことを気軽に言う人に
AーZの話をするのですが
 
まさか自分がそれをやってしまうとは、、
 
データのサイズもそう
ピクセルが大きければ良い訳じゃない
この辺の話は何度も説明されてようやく理解できたのですが
写真を印刷するとはとても大変なことなのです!
 
ネガがどうしても見つからないものは
ボツにするか小さなサイズで使ったり
 
ネガを全て見つけて再スキャン
 
そしてそのスキャン!
現像とスキャンてとても大事
以前は現像だけ出してスキャンは自分でやっていたのですが
時間がなくて今は写真家で友人の大林さんから教えてもらった
山口の山本写真機店の山本さんへお願いしています。
 
山本さんはプロの写真家さん達からの
信頼も分厚く
その筋ではかなり有名な方のも手がけています
大林さんとかね!
 
で、山本さんに現像してもらったものや
過去のものを改めてお願いしました
その数100数十枚、、、
 
山本さんが居なかったらこの本は出来ていなかったと思います
(自分でスキャンするのが面倒だからじゃないですからね!)
 
ポジや一部のネガは自分でスキャンしたものを使っています
 
ポジだと色味なんかが違ってくるのですが
通常の写真集はその辺りをこまか〜く調整するそうですが
綺麗に統一された見た目より
ランダムな感じが逆に面白いよねってことになりました
 
だって歩いた時期も違うし
カメラもフィルムも同じではないわけですからね
写真だって生物ですよww
(吉川談)
 
写真が決まり
デザインも決まった
 
後は文章
まぁこの辺のことは説明するだけ野暮なので
実際読んでください(恥ず)
 
吉川さんには入稿ぎりぎりまで悩まさせてもらいまいた、、
 
そうそう、この本のもう一つの企画
僕の会いたい人に会ってみよう!
 
せっかくだから普段接点のない
面白いことをしている人に会って
その人の人生観やものへのこだわりなどを聞いてみる
そんな企画を入れてみました。
 
 
とは言えIT社長の話を聞いてもなんか違う
 
僕らはものづくりの人間なので
その系統で探ってみました!
 
う〜ん、、
会いたい人ってなに?
 
例えば
尊敬する人は?
好きなブランドは?
 
ない、、、
 
僕が普段接する人たちは皆んな尊敬している
当初は同じガレージブランドの友達の話を聞こうかと思ったけど
そんな話しはみんな知っていますよね?
 
仲間内の褒め合いなんて読んでも面白くない
 
やっぱり全然関係ない誰かの話し
僕の利益にならない人
利益って変だけど03rを作ってくれるワカちゃんだって
話を聞けばそれなりに面白いことになる
でもそれって
そんな面白い人に僕らの商品を作ってもらっていますよ
的な広告になりかねない
 
だから全然接点がない人
当初は好きな皆川明さんとかに連絡してみることも考えました
でも皆川さんは本も出しているし既に有名人
これまた有名な人と対談しました的な自慢に終わる可能性大
(そもそも受けてくれないかww)
 
僕らの界隈
僕らのお客さんが知らないであろう人
う〜ん
 
で思いついたのが二人
 
DOVE&OLIVEの小野くん
 
小野くんとブランドの存在は知っていました
仲の良い後輩の同級生なので
ちょくちょく噂は聞いていたのです
20年前くらいに一度飲み会で同席?
それ以来何もなし
 
石井くんは2学年下なので
顔はわかりますがほとんど会話したことはない
そして失礼ながら存在は完璧に頭の裏の奥にしまってありました
 
「文化服装学院、卒業生の辻岡と申します」
ってメールしたんですよww
 
まぁこれ以上は本に書いたので言いませんけど
小野くんに会いに岡山へ
石井くんに会いに川口へ
 
とても面白い話が聞けました!
このためにレコーダーまで買いましたからね!
 
それぞれ2時間近く話を聞いたのですが
文字起こしが超ーーーーーー大変
 
再生と巻き戻しを繰り返し文字に起こして
吉川さんへ丸投げww
そこから吉川さんがうまいこと編集してくれました。
ページの関係でカットされてしまったのですが
 
ディレクターズカット版?
ノーカットを掲載するか
聞けるようにしたいと思います
 
二人の話を聞いて思うのは
ものづくりの人間は真面目で孤独
皆んな同じ悩みを持っている
 
二人が色々話をしてくれたのは
きっと僕も同じものづくりの人間だからだと思うのです
 
そういう意味でも
普通の本には無い内容になっていると思います。
 
最後にもう一つ
吉川さんが過去に取材してくれたことをもとに
僕たちのことを書いてくれています
 
自分で自分を説明するのではない
第三者からの目線
これってとても重要なことだと思うのです
 
自分で自分のことを書いたものなんて
良いことばかりになってしまう
第三者それもプロの意見
 
吉川さんから見た僕らのことを書いてください
そうお願いしたのですが、、
 
それは本でのお楽しみww
 
ここまで長々と書いてしまいました、、
アイテムだけでなく本でもこんなに言いたいことがあるなんて、、
自分でも驚きですが
 
サラッと作った訳じゃない
色々な方達と作り上げたのがこの本なのです
 
服もザックもなんでもそう
みんなの力で出来ている!
 
ちなみに紙などにも色々こだわりました
 
どうぞよろしくお願いします。

*最後に一つお願いがあります*
本が店頭に並んだ際
ちょっとした傷でも返品になるそうです
それってなんだか、、
 
今回は多少の傷があったとしても
販売させてください。
もちろん折れたり破れたりは論外ですし
明らかに傷ついたものはこちらで外します
ご理解どうぞよろしくおねがいします。
仕様:上製、糸かがり
判型:B5判変形
ページ数:112ページ
 
用紙
表紙:テイクGA、ニス加工、文字のみデボス加工
本文4色:b7ナチュラル
本文1色:b7クリーム
帯:コート紙、グロスPP加工
見返し:里紙の白
 
 
「form follows field.」
 
写真
辻岡慶
 
イラスト
辻岡里奈
 
装丁
峯崎ノリテル
正能幸介
 
編集
吉川亜香子
 
現像スキャン
山本写真機店
 
印刷
文化堂印刷